野菜を育てていると、黒斑病という名前をよく耳にすると思います。
黒斑病にかかったさつまいもは黒い部分を全部取り除けば食べられますが、苦味もあるのでオススメはしません。
さつまいもが黒斑病を発症する原因と、黒斑病にかかってしまったさつまいもを食べない方がいい理由を詳しくお伝えします。
さつまいもがかかりやすい黒あざ病の予防法もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
さつまいもが黒斑病を発症する原因は?発症させないための予防法
黒斑病は糸状のカビの一種で、ハリガネムシなどの害虫やネズミが貯蔵中の塊根を食べた痕から菌が浸入します。
収穫する時に傷があると、そこから感染して貯蔵中に発症することもあります。
さつまいもは栽培して収穫する時に食用と種いもに分けておきます。
種いもとして選んだものを土に植えて次のさつまいもを栽培し、収穫してを繰り返します。
さつまいもは種いもから育てた苗を植え付けて栽培します。
種いもが黒斑病にかかっていると、その種いもから採った苗にも伝染して土まで感染してしまいます。
収穫する時に黒斑病にかかっていたことが分かった畑の塊根は、見た目に問題なくても貯蔵中に発病することもあります。
種いもから取れる苗はスーパーやホームセンターで買うことができます。
苗を買って育てる場合は、苗を殺菌をして育苗をすることが大切です。
苗の殺菌方法は、50℃位のお湯で苗を約30分加熱してください。
家庭菜園でも種いもから苗を作ることができ、その方が費用も節約できてたくさんの苗を作ることができます。
スーパーに売られている食用のさつまいもを種いもにすることもできます。
種いもを植えて苗を作る場合は、黒斑病などの病気にかかっていないものを選び、47~48℃のお湯に約40分付けて温湯消毒します。
消毒したらすぐ種いもを畑に置き、種いもが隠れるくらい土をかぶせて伏せ込みをしてください。
害虫やねずみ対策のために、植え付けする前に土壌消毒や成虫が卵を産めないようにマルチングをするのもオススメです。
マルチングはマルチとも呼ばれ、さつまいもを植えた地面の上にビニールなどでかぶせておくという意味です。
こうすることで雑草を生えにくくしたり、水分の蒸発を防いだり病害虫を寄せ付けないようにすることができます。
ビニール以外にも自然素材の腐葉土が使われることもあり、昔から使われているワラや枯葉などが使われています。
さつまいもが黒斑病になってしまった。食べられる?
黒斑病にかかってしまったさつまいもを食べても人体に伝染することはないので、食べられるとされています。
ただ黒斑病などに強く侵されている場合は、植物自体が自分で身を守るため毒素を出している可能性もあります。
毒素が出されている場合は、アレルギー原因になるタンパク質などが生成されていることがあります。
そのため食べても人体に絶対に影響がないとは言い切れないので、食べないようにした方が安心です。
サツマイモが発症する黒あざ病。黒斑病との違いは?
サツマイモは黒あざ病という病気を発症することもあります。
黒あざ病は、黒斑病と名前は似ていますが、異なる病気です。
黒斑病は葉や茎・塊根を侵すのですが、収穫して貯蔵している間に塊根に発生すると被害が大きくなってしまいます。
発病すると緑がかった黒い斑点が付き、どんどん黒味が強くなり表面が丸くくぼんで中央部分にもカビを生じていきます。
葉や実に丸くて黒い斑点がついていたり、黒い斑点が大きくなり株も弱ってきた場合は黒斑病にかかっている可能性が高いです。
黒あざ病は表面の皮の部分しか侵食されないので、中身には問題がないのですが、見た目が悪いことで、商品としての価値は一気に下がってしまうそうです。
家庭菜園で育てていて自分が食べるのであれば見た目が悪くなっても問題はないのですが、予防法は黒斑病と同じなので、知っておくと良いのかなと思います。
土に埋まっているサツマイモに黄土色の小さい斑点ができて、褐色の大きい病斑になっていきます。
低い地温で発生しやすいと言われていて、4月~11月頃に葉や芽・茎・根に発生するとされています。
もし被害を受けた場合は、株だけでなく周りの土も処分するようにしましょう。
被害を受けた株からは種いもやタネを取ると負の連鎖を起こしてしまうので、取らないようにして下さいね。
予防法は黒斑病と同じで、被害を受けた株を処分するために使った器具なども消毒してから使った方が安心です。
種いもは伏込む直前で消毒を行うようにしましょう。
まとめ
今回はさつまいもを栽培する時に発症しやすい黒斑病や黒あざ病の発症原因と対策・予防法についてお伝えしました。
葉や収穫してすぐの実に黒い斑点が付いている場合は黒斑病にかかっている可能性が高い。
黒斑病にかかったさつまいもは人体に影響はないので食べられる。
病気に強く侵されてしまっている場合は、さつまいも自体が毒素を出している可能性もあるので食べない方が良い。
黒斑病にかからないようにするために、苗や種いもを消毒して使うのがオススメ。
同じ場所でさつまいもを続けて栽培すると病気にかかりやすくなるので、イネ科などで1・2年輪作するのがいい。
植え付けする前に土壌消毒やマルチングをして、害虫やねずみ対策しておくと良い。
病気の被害を受けた株からは種いもや種を取らないようにする。
病気予防や後処理に使った器具や土などは全て消毒するようにする。
大切なさつまいもを害虫などからしっかり守って、美味しいさつまいもを作ってくださいね。