俳句のコツ!中学生の部活をお題に春夏秋冬の季語を入れて詠んでみる




俳句を作ることに頭を悩ませているあなた。
夏休みの宿題で、国語の授業で、何をどうしたらいいのか途方に暮れてしまう。

そんなあなたに俳句が少しでも楽しくなる方法や、俳句を作るコツをご紹介します。

俳句を作るのが楽しいと思えない、どうしたら面白く思えるか知りたい人目次の1番から、

俳句を作るコツが早く知りたいと思っている人
目次をクリックするとコツの部分まで飛べるので、
2番や3番まで飛んで読んでみてくださいね。

俳句の魅力!今しか詠めない句を詠んで。短いからこそ心に残る。人生の供になるかも。

中学生として俳句を詠めるのは人生で3年間だけ。今見えている特別な世界を詠む。

俳句は主に「見えている世界」を詠んでいます。

とても簡単にいうと「見えている世界に季節の言葉を入れたもの」。

写生です。

中学生は目線が大人と違います。

目線とは背の高さもそうですが、見えている世界のことです。

想像力も大人とは違います。知っている言葉の数も小学生とは違います。

日本では当たり前ですが、中学生でいられる期間は3年間。

その間にしか見られない世界があるのです。

人間関係や部活動、季節の移り変わり。

あなたが見ている当たり前の景色は、中学生のあなたしか見ていません。

以前、「伊藤園おーいお茶新俳句大賞」にこんな作品がありました。

「ポケットに 手を入れている 陸上部」

この句は「新俳句」なので季節の言葉「季語」が入っていません。

夕方なのかお昼なのか、

陸上部はウェアを着ているのか、制服で談笑しているのか。

その中に自分の好きな人がいるのかいないのか。

中学生の自分の目線でこの句を読んだ時、どんな想像が出来ましたか?

一句から自分で想像を膨らませることが出来る。

それが俳句の面白いところではないでしょうか。

余談ですが、この句を作った人は当時11歳でした。

俳句は短いからこそ価値がある。何年たっても色褪せない思い出として記憶に残る。人生の支えとなる句に出会うことも。

記憶に残る。

俳句は世界一短い詩です。短いからこそ覚えられます。

こんなエピソードがあります。

ある姉妹が、親に連れられて梅林へ行きました。

「あ、一句出来た」

姉妹の姉はそう言うと詠みます。

「梅の花 梅干したくさん できるやも」

「ポイントは『やも』だね」

そう言って姉は笑いました。

ちなみに「やも」は反語の終助詞なので
「できるかなぁ。いや、できないだろうなぁ」という意味です。

このエピソードは優れた俳人によるものではなく、
何か賞を獲った優れた俳句でもありません。

しかも、梅の花は初春を表す季語ですし、梅干しは晩夏を表す季語です。

俳句は、1つの句の中に2つの季語を入れてはいけないというルールがあります。

少しでも俳句を知っている人たちからは、

眉をひそめられることでしょう。

しかし、妹にとって姉の句は面白かったのです。

だから覚えているのです。

このように、思い出のある俳句は何年経っても覚えていたりします

宿題にしても、授業にしても一生懸命ひねり出した自分の作品は
意外と覚えていられたりしますよ。

それにもし、教科書からでも、新聞の投稿の中からでも
自分の心に響く一句と出会えたら、今後生きていく時の指針になるかもしれません。

「あの時、こんなことがあったな。だからもう少し頑張れるかもしれない」と
折に触れて思い出すような句です。

世界一短い詩であるからこそ、こんな面白さがあるのではないでしょうか。

簡単に俳句を詠むコツ!中学生の部活にはどんな景色がある?まずは目に映るものを、次に季語を。

運動部のあなたは、練習試合に他校を訪れることもあるでしょう。

見慣れない校舎に、見慣れないグラウンド。

ただそれだけの風景を、自分が見たままに「5、7、5」にしてみてはどうでしょう

空を見上げたら「いわし雲」が出ているかもしれません。

この「いわし雲」は秋を表す季語です。

この一言で「秋の青空に独特の薄い雲が広がっている」という
景色を伝えられるとともに
「5、7、5」の「5」が出来ました。

もうひとつの「5」は「サッカー部」だったり「グラウンド」だったり。

選択肢は無限大です。

テニス部のあなたは、練習試合の後で後輩とネットの片づけをしているかもしれません。

または、ピンと張られたネットの前で顧問の先生から指導を受けているかもしれません。

そんな情景を「5、7、5」にしたらどうなるでしょう。

「テニス部の」で「5」。

「テニスコートの」で「7」。

「張られたネット」でも「7」。

次に時間や気温も考えてみましょう。

息は白かったのか、むっとするほど湿度の高い夕方だったのか

季語が出てこなかったら、最初は季語を無視して作ってみてください。

まずは言葉を探すのを楽しみましょう。

季語を多く知るとさらに楽しい!俳句にぐっと深みが増す!今話題の「香水」も実は季語

季語をたくさん知っていると、俳句を作るのが楽しく(楽に)なります。

そこでおすすめしたいのが「歳時記」「季語辞典」です。

歳時記四季や年中行事をまとめた本のことですが、

主に俳句の季語の分類に使われています。

大人用の分厚いものでなく、

「大人も読みたい こども歳時記」小学館

「子どもおもしろ歳時記」理論社

「夏井いつきの365日季語手帖」日販アイ・ピー・エス

読みやすい本も出ています。

購入するには高価なものもありますが、
ぜひ図書館や図書室でめくってみてください。

面白い言葉に出会えます。

春の季語 「山笑う

夏の季語 「山滴る(やましたたる)」

秋の季語 「山装う(やまよそおう)」「山粧ふ(やまよそおう)」

冬の季語 「山眠る

山は一年中忙しそうですね。

春の明るい山の様を笑うと表現し、
夏の草木は山が緑で滴っていて、
秋は紅葉で山が飾ったように見えるといい
静まり返った冬は山が眠ったようにみえると形容しています。

そんな恰好良い言葉でなくても「春の山」「夏の山」という季語もあります。

今話題の「香水」は夏の季語

香水はもともと、汗の匂いなど体臭を消すために作られたものなので、
薄着になって汗の気になる夏の季節に季語になったようです。

先ほどご紹介した「いわし雲」ですが、
「うろこ雲」「さば雲」「ひつじ雲」。すべて秋の季語です。

本を読むのが苦手であれば、最初から最後まで読むことは
大変なので決しておすすめしませんが、
ぱっと開いたページに何か発見があるかもしれません。

一度挑戦してみてください。

気に入った言葉をメモしておくと、俳句を作るときに役に立ちます。
メモしておくのは「季語 季節 意味」。

季語だけメモしておくと、それがどの季節の季語だったか忘れてしまうかもしれないので、
季節と意味も簡単で良いのでメモしておきましょう。

次に宿題や、授業で俳句を作るときの参考になりますよ。

手持ちの本なら付箋を貼っておくのもおすすめです。

花や草木の名前を知っておくのも、季語に悩んだ時に助かります。

「うめ」「さくら」「たんぽぽ」「チューリップ」「アジサイ」「ひまわり」「もみじ」

もみじは葉先だけ紅葉しているのか、
山のふもとまで紅葉しているのかで情景や印象が変わります。

桜も咲き始めなのか、散っている様なのか。

ちなみに、桜の花びらが川に流れていく様は
「花筏(はないかだ)」という季語になっています。

名前は知らなくても見たことのある草木は、
調べたら季語になっている可能性も。

そこで歳時記・季語辞典で、季語になるか検索してみてください。

気になって調べたということは、心が動いた証拠です。

「何かがあって目を落としたら、その植物があった」という

その時の状況や気持ちを5、7、5に並べられたら素晴らしいですね。

まとめ

俳句を趣味にする人が、よく口にします。

「日常生活に新しい発見がある」

何気ない日常も5、7、5に落とすことで楽しく新鮮になるそうです。

「いつも何か素敵なことが無いか探しているから決して暇にならない、退屈しない」

「メモ用紙とペンがあれば出来るからお金がかからない」

「季語を知ることで新しい言葉を知ることが出来て楽しい」

そして、「こっそり作ることが出来る」。

最初はかっこつけてかっこいい句を作る必要はないのではないでしょうか。

「先生の 話はながくて つまらない」程度の句が

「稲刈りを 見ている犬と 猫2匹」という季語の入った句になり

いつか研鑽に研鑽を重ねて

「古池や蛙飛び込む水の音」松尾芭蕉

のような俳句が作れるようになるかもしれません。

「苦手だな」という意識から始まった課題が
少しでも「楽しかったな」という気持ちで終えられますように。

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