日本では法律上、国際結婚の場合を除いて、
結婚すると夫婦は同じ苗字を名乗らなければなりません。
実は、法律として夫婦同姓を義務付けているのは、日本だけなのです。
世界では、結婚前に同姓にするのか、
別姓にするのか選べる国がほとんどです。
日本において、夫婦同姓は伝統的な事です。
そして、実際、結婚しているカップルのほとんどが
男性側の姓を名乗っています。
日本ではごく当たり前に、男性側の姓を名乗る風潮があります。
しかし、外国人の多数が、
「女性だけ姓が失われるのはおかしい。」「女性に対する差別だ。」
と考えています。
世界中では、女性の社会進出や、女性の独立によって、
結婚後も別姓にする夫婦が増えています。
以前は、東アジア地域では、夫婦別姓を
伝統としてきた国が多かったそうです。
しかし、今では日本以外のどの国も
別の姓を選択できるよう、法改正がされています。
日本は完全に時代の流れに乗り遅れているのです。
また、結婚後に姓が変わると、
いろいろなところで名前の変更手続きをしなくてはなりません。
銀行の口座や、クレジットカード、保険、運転免許証、パスポートなど。
私は仕事上の免許証を持っているのですが、
それも名前の変更が必要となります。
いろいろと手続きが面倒…。
そんな面倒な手続きをしなければならない、
そして時代の変化にも対応できていないのにも関わらず、
なぜ日本は現在も夫婦同姓を法律で定めているのでしょうか。
夫婦別姓に慎重な日本！法律が変わらない理由
なぜ、日本は夫婦別姓に対して、慎重なのでしょうか。
法律が変わらない理由は2つあります。
法律が変わらない理由①家族の絆が弱まる
夫婦が別姓を名乗ることで、
家族が分裂してしまう可能性があります。
説明しないと、夫婦なのか、事実婚なのか、
パートナー（恋人）なのか分かりません。
また、離婚のハードルが低くなる恐れもあります。
「離婚して苗字変わるのが嫌、面倒くさい」
「離婚して子どもの苗字が変わるのがかわいそう」と、
名前の問題があり、離婚を踏みとどまった夫婦もいるでしょう。
そして、夫婦別姓にした場合、子どもはどちらの姓を名乗るのか、
戸籍はどちらに入れるのかなど、たくさん問題があります。
夫婦別姓に対して、法律を変更するということは、
その他にも変更しなければならない法律や制度がたくさんあるため、
慎重になっていると言えるでしょう。
法律が変わらない理由②伝統を壊したくない
夫婦同姓の法律は、明治時代に施行された民法で、
とても歴史があります。
100年以上も続いている伝統を、すぐに壊すことはできません。
夫婦同姓が当たり前だという風潮があり、
また伝統を守るべきだという声が多いのも、
法律が変わらない理由の一つです。
夫婦別性のメリットとデメリットとは？こんなところに影響が！
夫婦別姓のメリット、デメリットを解説していきます。
夫婦別姓のメリット
結婚後も旧姓を名乗ることができる
これは、キャリアウーマンにとってとても大きなメリットと言えるでしょう。
今まで、旧姓で積み上げてきたキャリアを保つことができます。
姓が変わることで、名刺の変更や、
取引先へ説明もしなければなりません。
また、本や論文を書いた場合などは、
著者名も一致しないという弊害が発生します。
公的手続きが不要になる
名前変更による様々な手続きが不要になります。
戸籍、免許証、パスポート、銀行の口座名、保険、クレジットカードなど、
名前変更をする必要がなくなります。
名前変更のために、わざわざ市役所や銀行など、
いろいろな所へ行く必要がなくなり、時間も手間も省けます。
よく考えたら、結婚することで、女性だけが様々な
手間、時間、お金をかけないといけないのは、とても不公平ですよね。
両家の姓にとらわれない
嫁に入るだとか、婿にもらうだとかを考えなくてよくなります。
夫婦別姓にすることで、実家の苗字が途絶えてしまうこともなくなります。
今では数少ないとは思いますが、歴史のある家に嫁いだ場合、
苗字を途絶えさせないため男の子を産まなくてはいけない、という
プレッシャーを感じる必要もなくなります。
夫婦別姓のデメリット
家族の絆が薄れる
家族全員が同じ姓を名乗ることは、家族の絆や一体感が生まれます。
別姓にすることで、家族がバラバラになってしまう可能性があります。
夫婦別姓だと、夫婦であることを伝えないと、
分かってもらえないのもネックです。
わざわざ「私達は夫婦です。」と毎回伝えるのも面倒ですよね。
離婚が増える可能性
離婚すると旧姓に戻す必要があり、手続きが面倒だったり、
離婚したことがすぐに分かってしまったりします。
しかし、夫婦別姓だとそういった手続き等は一切いらないため、
離婚届を提出するだけで、離婚が出来てしまいます。
離婚のハードルが下がる可能性があります。
子どもへの弊害
夫婦別姓となった場合、子どもはどちらの姓を名乗るのか、
籍はどちらに入れるのかなどの問題があります。
また、どちらの姓を名乗ったとしても、
「どうして、お父さんorお母さんは違う名前なんだろう？」と
疑問を持つ可能性があります。
また、子ども達の会話でもそういった話題となることもあるでしょう。
子どもへのケアをどうするかが問題となるでしょう。
まとめ
夫婦別姓について、そして夫婦別姓にする
メリット、デメリットをお伝えしましたが、いかがでしたか。
私は個人的には夫婦別姓には賛成です。
女性の社会進出、女性の独立、女性のキャリアのために、
また男女平等な社会にするために、
夫婦別姓にするメリットは大きいのではないかと思います。
そして、何より結婚後の公的手続きが面倒くさい。
変更手続きだけでなく、そもそも変更の仕方が分からないので、
調べる必要もあります。
いろいろと考えただけで、時間と手間の無駄。
女性だけ旧姓を失い、面倒な手続きをするのは、
どうも不公平に感じます。
しかし、夫婦同姓のメリットもたくさんあるので、
いざ「夫婦別姓も選べますよ」と法律が変更したら
実際に夫婦別姓を選ぶかどうかは、その時になってみないと分かりません。
みなさんはこの問題についてどう思いますか。
